落語協会お囃子、オンダエリのブログです。寄席囃子の話とかとか。


by erioneesan
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野崎

ちょっと西の方に旅してまいりました、おんだです。どうも。ただいまです。

10日間行ってたんですが。
プロだというのに未だに腕に自信がないので、
気が向いたときにいつでも練習できるように
むっちゃん(六つ折れ三味線)を連れて行きまして。

で、何を練習曲に使っていたかといいますと。

まず、「米洗い」。
これは寄席囃子の基本中の基本ですが、難曲でして。
以前にも記しましたが、この曲の弾け具合でその日の調子やサボり程度がわかります。
ピアノで言うところの「ハノン」の後ろのページの方にある難しいやつ、みたいな感じです。

次に、「禿(かむろ)」。
これは義太夫でして。グレート、ではありませんよ。ほほ。

義太夫というのは、もともと・・・これどっかで説明してますよね。
二月の「トッチンチンチン・・・」を読んでくださいませ。。。

で、「禿」なんですけど、この曲は義太夫といっても景事物(お祝い系)なので、
基本的には台詞もありませんし、オオオオオーーーー(泣)とかってのもありません。
10分ちょっとの軽い曲でして。
ちょうどお稽古で習っている曲なので、練習してまして。

三曲目が、「野崎村」。
これも義太夫でして。お稽古中の曲です。
こちらはれっきとした、台詞ありのオオオオオーーーー(泣)系です。

このお話、正式には「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」といいまして。
「お染久松」とかいうと、なんとなく聞き覚えのある人もいるかもしれません。
江戸中期に実際に起こった、恋仲にあった男女の心中事件を基にしたお話でして。
「野崎村」というのは、そのお話の中編の部分を指します。

寄席囃子で「野崎」というと、
この「野崎村」と呼ばれる中編の最後に出てくる曲を指しまして。
かご屋さんが久松を乗せていくシーンなんですが。
えっほっえっほっ、って感じ。
三味線の聴かせどころなんです。連弾でね、いーい曲なんです、これが。

で、今、東京では使っている人がいません(上方では桂春団治師匠が使用中)。
なぜかといいますと。
すごい名人といわれた落語家が使っていたからなんですね、多分。
恐れ多い、ということなんでしょう、きっと。

八代目桂文楽、という人なんですけど。
知りませんかね。知りませんよね。
普通に生活していたら全く要らない知識ですから。
私も昔は知りませんでしたし。

しかし、寄席の世界ですと、神様に近いんです。
なんてったって名人といわれる人ですから。はい。

で、少々やっかいなんです、今。
お稽古で習ってるんですが、寄席のと違うんです。
正確には、寄席の「野崎」がオリジナルからちょっと離れてるというか。
全然違えば違うものとして覚えられるのですが、
90%一緒であとの10%が違うというのが、やっかいなんですな。
ついつい弾き慣れてる方に指がこう・・・行ってしまうんです。

まあしかし、10日間ずっとしてたわけじゃないですが、
けっこう集中して練習できたので、何とか抜け出せそうです。

しかしまたここで問題が発生するのです。
オリジナルを体に染み込ませると、
今度は寄席バージョンを弾くときに「あああああーーー!!!」ってなります、多分。

誰も使ってないんですけどね、出囃子には。
地囃子には使っているんですよ、曲芸の方々が。
独楽が糸を渡る時、鞠とバチを使った時などなど。
1人で弾いてる分には構わないのですが、先輩と連れ弾きの時はね・・・
あー・・・くわばらくわばら。。。。。
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# by erioneesan | 2006-06-19 07:32 | 地囃子 | Trackback