落語協会お囃子、恩田えりのブログです。寄席囃子の話とかとか。


by erioneesan
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七段目。
何のことだかわかるひとー。

私はこの世界に入ろうと決意するまで全く知りませんでした。

忠臣蔵は皆さんご存知ですよね。それなりに。
私は「峠の群像」でなんとなく知ったんですけど。
吉良上野介=伊丹十三がもう憎たらしくて憎たらしくて、
その後しばらく伊丹十三さんがこの世で一番嫌いな人でした。
つまり、かなりの名演技だったということなのです。
純真だったということでお許しください。

それはさておき、七段目。

忠臣蔵はもともと「人形浄瑠璃(文楽)」の作品でして。
文楽は「●●の段」とか「△△の段」とか
シーンごとに名前があるのですが、
最初から数えて「○段目」と数字で呼ぶこともあるのです。
で「七段目」という場面があるわけです。

京都の「一力茶屋」という廓で大星由良之助(大石内蔵助)が芸者遊びをしてまして。
(※作品が作られた当時はお上がうるさくて実名を使えなかったそうです)
その芸者衆の中に「お軽」という人がいまして。
で、お軽のお兄ちゃんである「平右衛門」という浪人が茶屋に来て・・・
という場であります。ってわかりませんよね。トホホ。

この「七段目」を、あるお店の芝居キチ若旦那が
二階にある自分の部屋で奉公人とまねっこをする
という噺があるんですよ。

やっと本題に入ったー。

若旦那は武装して「平右衛門」に、奉公人は女装して「お軽」になりきるわけでして。

そこで私らの仕事です。
京都の廓を表現する音楽は「踊り地」という曲です。

「さて、どこから始めようかな」と
まねっこを始めるあたりから演奏します。
トッテンチンチン トッチリチリチレ 。。。。 。。。。
単調な音階をゆっくり弾くので、リズムを保つのが結構難しいのです。
あと、「スカばち」といって、弾き損ねてしまうとすんごく目立つのです。
簡単に聞こえるんですけどねえ。
私はいつもかなり緊張してやってます。

ゆっくり弾いた後、奉公人に危機が迫ると早く弾きます。
バランバランとツケ(「火の~用心!カンカン」みたいな2本の木)も入ったりして
もみ合っている様を表現しているわけです。

あれえ~~~(奉公人の悲鳴)・・・・・。続きが知りたい方はぜひ寄席へお越しください。

文楽や歌舞伎では忠臣蔵は12月にかかることがほとんどですが、
寄席だと忠臣蔵を題材にした噺は季節問わず、
特に「七段目」は年中かかります。

昔作られた落語は文楽や歌舞伎を知っていると楽しい噺が多いのですが、
この噺もそのひとつです。
寄席をより楽しむために、
まずは忠臣蔵から入ってみてはいかがでしょう。
周りに合わせて笑う苦痛が減ること請け合いです。

あー。「峠の群像」観たくなってきた。
渋く「大忠臣蔵」でもいいな。ビデオ屋行って借りてこよー。
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# by erioneesan | 2006-02-25 02:03 | はめもの | Trackback