落語協会お囃子、オンダエリのブログです。寄席囃子の話とかとか。


by erioneesan
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<   2006年 04月 ( 5 )   > この月の画像一覧

なすとかぼちゃ

寄席に来ると、誰かがたまに
あごにかけた手ぬぐいを頭のてっぺんで結んで
「なすとかぼちゃ」という踊りを踊っています。

♪背戸のなァ 段畑で なすとかぼちゃの喧嘩がござる
 かぼちゃ元より いたずら者だよ
 長い手を出し なすの木に絡みつき
 そこでなすめが 真っ黒なって 腹を立て
 そこへ夕顔 仲裁に入り 
 コレサまてまて まてまてかぼちゃ
 色が黒いとて 背が低いとて なすの木は 地主だよ
 オラやそなたは 店借り身分 
 人の畑に入るのは 無理じゃ無理じゃ
 奥州街道で かぼちゃのつるめが 垣根を壊して
 大家が腹立つ 大工が喜ぶ 十日の手間賃 どうするどうする 面白や♪

で、なすとかぼちゃってね。夏の野菜ですよね。
だから、夏の踊りかな、ってずっと思ってたんですけど。
正月に踊ってる人もいるし。
二月に踊ってる人もいるし。
三月も四月も。。。

このごろ季節感がなくなったとかってよく嘆いてる人がいますけど、
寄席もうるさいようで案外無頓着です。

ちょっとしたグチです。

で、この歌詞なんですけどね。
幕末に「踊りが面白いから」って流行ったらしいんですけど。
「色が黒くて背が低い」っていうのは、確実に馬鹿にされてしまうんだな、と。
色が黒いからってのもどうかと思うのですが、
背が低いって。。。
あの頃の人たちって、圓歌師匠なんか目じゃないわけですよね。多分。
すんごいちっちゃいわけでしょ。
でも、ちっちゃい中でもさらにちっちゃい人がいて。
で。地主だろうがなんだろうがそういう奴は嘲笑の対象ってことなんですかね。
反権力主義の唄ってことなのかな。
でも色が黒いってことは、それなりに労働しているってことだよな。。。
ただのジグロ?ジグロってことを馬鹿にしたかったのか?うーむ。。。
誰が作ったのかな。。。

まあ、そういう唄をですね、唄いながらですね。
この歌詞に該当するような風体のお客さんに聞き取られてないといいなあ、
なんて思っていたりするわけです。はい。
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by erioneesan | 2006-04-28 00:41 | 踊り | Trackback

げきざる

って、どんな字思い浮かべます?

私のメルアドは「gekizaru」で始まるのですが、
それを見た友人が、「激猿って・・・すごいね、なんか」と返信してきました。
一瞬殺意を覚えましたが、
一昔前は自分も邦楽のことなんか何一つわからなかった・・・と、悔い改めました。

「げき」とは、「外記」と書きます。
「外記節」(げきぶし)から来てまして。
その昔、薩摩外記太夫という人が作った江戸浄瑠璃の一種だそうで。

ともかく。

「外記猿」(正式名称「外記節 猿」)という曲が、邦楽の「長唄」というジャンルにありまして。
長唄、というくらいですから、長いですよ。
一曲が短くても10分、長いのはホントに長くて50分くらい。

「外記猿」は20分くらいの曲でして。

♪まかりいでたる それがしは ずんと気軽な風雅者
日がな一日 小猿を背なに 背負いからげてな
姿如法や なん投げ頭巾。。。♪

と、街行く猿回しがお屋敷で呼び止められ、玄関先で猿を回す様を唄います。
テンポがよく、曲調も歌詞も明るくお目出度く仕上がっています。

この曲の前弾き(前奏)を出囃子に使っていた方々が、
昨年、あちらに逝かれまして。

先日4月18日が命日の桂文朝師匠。
どんな時でも、どんなお客さんでも、確実に笑わせることができる、
東京の寄席にはなくてはならない重鎮でした。
寄席に初めて行くという人には「文朝師匠を観るといいよ」と必ず言ったものでした。

そして、桂吉朝師匠(11月8日)。
「寝ずの番」のパンフに桂吉弥さんが「師匠の寝ずの番をした」と書いてましたが、
その、寝ずの番をしてもらったお方です。
落語が大好きで大好きで、落語に付随するもの全てを愛おしいと思う気持ちが
全身からあふれている方でした。

外記猿の前弾きは林家時蔵師匠、桂伸治師匠の出囃子でもあり、
今も寄席で聞くことができます。
寄席に合ってると思うんですよね。短調ですが明るいし、テンポもいいし。
偉い!!四代目杵屋三郎助!!よくやった!!(※作曲者です)
誰が最初に使ったんだろう。
5代目柳家つばめ師匠が使ってたって話は聞いたことがあるのですが。

トテテン、トテテン、トテテン。。。
私の着メロは「外記猿」の前弾きです。今までも。これからも。
もしお会いすることがあれば、いつでもお聞かせします。
「外記猿」自体、とてもいい曲ですよ。歌詞もわかりやすいし。
機会があったらぜひ聞いてみてください。

何十年後かに、あちらで出囃子弾かせてもらえるかな。ほほ。
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by erioneesan | 2006-04-23 01:32 | 出囃子 | Trackback

死人のかんかん踊り

ブログを始めてまだ4ヶ月目なのですが。
またしても「死人のかんかん・・」。これで3回目です。

今回は映画「寝ずの番」。
実に楽しい、そしてやはり泣けてしまう作品でした。

で、「死人のかんかん踊り」です。

笑満亭橋鶴(長門裕之)の通夜で、実の息子で弟子でもある橋弥(岸辺一徳)が

「“らくだ”といえば“橋鶴”、“橋鶴”といえば“らくだ”や!
生きている親父に僕は何も教えてもらえなかった。
今こそ、落語の真髄を身を持って教えてもらおうやないか!!!
死人のかんかん踊り、踊ってもらおうやないか!!!」

というような感じで(すみません、台詞うろ覚えなんで・・・)
一門の兄弟弟子らに訴えるわけでして。

すると、皆「そらそや!そやそや!やろ!!死人のかんかん踊り!!!」
というような感じで(同上)、机やら何やら片付けまして。

死後硬直した師匠の体をバッキバッキいわせながら
4人がかりでかんかん踊りを踊らせるという・・・

文章で伝えると「どうなのよ、それ。」って感じでしょうが。
映像ですとね。面白いんです。とっても楽しそう。
生で見るとね。・・・ね。どうなんでしょうね。

で、「かんかん踊り」。
劇中でラインダンスを踊ってました。
ダンスの「カンカン」って連想するんですかね。
そういえば、鹿芝居の時もラインダンス入ってたな。。。

あちらはフランス語なんで、多分関係ないんじゃないかと。
かんかんのうってのは中国語が元なもんで。
「あなたにもらった知恵の輪が解けなくて困ってます」という内容の唄だそうです(2/9既述)。

単純に、肩組んで一列になって踊ると足上げたくなるってことでしょうか。うふふ。

それにしても、楽しく、愛くるしい人々を描いた素敵な作品でした。
サントラ出してくれないかなあ。。。
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by erioneesan | 2006-04-17 20:11 | 映画 | Trackback

独楽(コマ)

今、寄席では、真打披露興行というものをやっておりまして。

噺家さんってのは、一生のうちに何度か「出世したよーっ」て
お客さんにアピールする機会があるんですよ。
最初は「二ツ目」。入門してだいたい3~4年でなります。
次に「真打」。二ツ目さんになってだいたい10年前後でなります。
そして「襲名」。これは人によってあったりなかったり。時期もまちまちです。
都内4箇所の寄席で10日ずつ、計40日間「披露目興行」をうつわけです。

で、今回は5人の二ツ目さんが真打に昇進されまして。
今日は15日目。新宿末廣亭でお披露目中です。

で、「独楽」なんですけどね。
歌舞伎音楽の一種に常磐津というジャンルがありまして。
その常磐津の曲のひとつでして。

自分だけの出囃子というのは二ツ目さんから使用が許されるのですが、
真打昇進を機に、元気な童謡などから趣のある純邦楽に変える方がたまにおられまして。
柳家さん光さん改め柳家甚語楼師匠(真打になると「さん→師匠」となります)も
出囃子を変えることにされたそうで。

今までは♪しょっしょっしょーじょーじ♪でおなじみの
「証城寺(しょうじょうじ)の狸囃子」 (作詞:野口 雨情 作曲:中山 晋平)でした。
(強面には不釣合いなほのぼの感がとてもほほえましかったです)

対して「独楽」はとても勢いのある曲。
独楽がシャーシャー空気を切って勢いよく回っている感じがよく出ています。
お披露目の間はトリ(最後に出る人)のみ使える「中の舞」という曲で上がるので
寄席の皆さんの耳に届くのは、5月上席鈴本演芸場夜席からになりそうです。

ちなみに、今回真打に昇進されたのは甚語楼師匠の他、下記の4名です(敬略)。

柳家風太郎改め柳家獅堂(さくらさくら)
林家久蔵(梅の栄)
柳家三三(娘道成寺)
柳家小太郎改め柳亭左龍(俄獅子)
※カッコ内は出囃子です

おめでとうございます。あと25日、体調崩さず頑張ってくださいますよう。

「独楽」か。練習しよ。暗譜しよ・・・
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by erioneesan | 2006-04-05 21:01 | 出囃子 | Trackback
どうも。ちょっとさぼりすぎてた恩田です。
花粉症ってホントに体力気力共消耗させる困った奴です、と言い訳してみたりして。

先日、鹿芝居「らくだ」に参加してきました。

鹿って言ったって、別に鹿の着ぐるみでやる芝居とかではなく。
「噺家」がやる芝居だから、らしいんですよ、どうやら。
縮めちゃって、当て字をつけた。らしいんですよ。

「らくだ」という落語については、二月の頭に説明したかと。
途中で「かんかんのう」というヘンテコな唄を唄うアレです。

で、それをお芝居にして上演したのが、今回の鹿芝居「らくだ」です。

「かんかんのう」唄いまくりですよ。
実際みんなで動いてお芝居してるでしょ。
稽古するたびにノリが変わるんですよね。
その都度合わせるようにしてたんですが、これが難しい。
そしてさらに、笑いをこらえて唄い続けるのはもっと難しい。
本番は、可笑しいし興奮してるしで、ちゃんと唄えていたかどうかわかりませんし。

で、お芝居ですからね。他のところにもBGMをいろいろ入れるんです。
選曲は、出演者の皆さんからある程度リクエストをいただいて決めました。
こんな感じの曲がいいとか、誰々の曲芸のどこどこで使ってる曲がいいとか。
お芝居ですから、ほとんど歌舞伎下座からお借りしてきました。
「麦ついて小麦ついて」とか「韋駄天」とか「三河嶋合方」とかとか。。。。。

通夜の真似事をしている二人が酒を飲み交わしている場面は
ずーっと弾き続けてるんですが、
短い曲を同じテンポでゆっくり弾くことがこんなに大変なことだとは知りませんでした。

三味線ってのは、右腕はずっと三味線の胴の部分に乗っけてるんですけど、
左腕は弦を押さえるだけで、乗っけて楽な体勢を作るってのは不可能なので、
結構プルプルしてました。鍛えられたかな。

そうそう、この「らくだ」、映画にもなってるんですよ。
喜劇の王様エノケン主演「らくだの馬さん」。
一度だけ浅草で観たことがあるのですが、
どんな曲使ってたんだろうなあ、全然覚えてないなあ。。。

昔、三木のり平さんがお芝居にしたって話を聞いたことがありますが、
そん時はどんな曲入れてたんだろうなあ。。。

ちなみに、エノケン版のらくだ役は中村是好さん、
のり平版のらくだ役は古今亭志ん五師匠。
そして「僕らの鹿芝居」版は三遊亭遊馬さんでした(死体の役も素晴らしかったですが、
回想場面の生きてる役もホントにあらくれ者って感じで素敵でした!)。

志ん五師匠のらくだだけ観たことないんだ。観てみたいなあ。。。。。
って、すっかり客気分じゃないのさ!てへ。

好評につき、再上演が決まりつつあるそうです。
ぜひ足をお運びいただきますよう。楽しいですよ、ホントに!!!
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by erioneesan | 2006-04-04 02:12 | 鹿芝居 | Trackback