落語協会お囃子、恩田えりのブログです。寄席囃子の話とかとか。


by erioneesan
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<   2006年 02月 ( 7 )   > この月の画像一覧

鞠と殿さま

突然ですが、寄席はひと月を上席、中席、下席と3つに分けて
10日間ごとに出る人を変えます。
で、そのたびに私らお囃子も変わるのですが。
この下席は鈴本演芸場の夜席におります。

なので、おやつを食べてから家を出れば十分間に合うのですが、
今日は用がありまして。11時半ごろから着替えておりまして。
着替えながらテレビでも見てようかと点けましたら。

春風亭昇太師匠(タイガー&ドラゴンのどん吉さん)が、
NHKの上田早苗アナウンサーに手料理をふるまっていました。
あじのなんとかご飯。なんか丼ものでした。

料理好きな人なんだ~とか思いながら着替えていると、
いつの間にか「みんなの童謡」になっていました。

♪てんてんてんまりてんてまり~♪

おっ!これは林家彦いち師匠の出囃子ではありませんか!
(※笑点の黄色いおじさん林家木久蔵師匠の一番弟子です)
SWA!ではありませんか!!
(※創作話芸アソシエーション=SWA。昇太師匠も彦いち師匠もメンバーです)

ちょうど着替え終わったので、テレビの前に正座して見ることにしました。

へえー、西条八十と中山晋平のゴールデンコンビかぁ!
知らなかったー!!

♪てんてん手鞠 てん手鞠
てんてん手鞠の手がそれて
どこからどこまで飛んでった
垣根をこえて屋根こえて
おもての通りへ飛んでった飛んでった♪

ここまではなんとなく覚えていましたが、
その後の歌詞がビックリです。
なんと、おもてに飛んでいった手鞠は
たまたま遭遇した紀州の殿様に
あなたの国のみかん山が見たいと頼んで
連れてってもらったら、なんと!
自分がみかんになってしまうという!!!

手鞠がみかんになるなんて。

こんなファンタジックな歌詞だったなんて。
ビックリ以外の何ものでもありません。

西条八十って何食べてたんだろう。

そして、彦いち師匠はどうしてこの曲を選んだのでしょうか。
前からなんとなく疑問だったんですよね。
なんで「鞠と殿さま」なんだろうか・・・と。
今度機会があったら伺ってみます。

ちなみに、この歌碑が和歌山市のどこかにあるそうです。
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by erioneesan | 2006-02-26 23:10 | 出囃子 | Trackback
七段目。
何のことだかわかるひとー。

私はこの世界に入ろうと決意するまで全く知りませんでした。

忠臣蔵は皆さんご存知ですよね。それなりに。
私は「峠の群像」でなんとなく知ったんですけど。
吉良上野介=伊丹十三がもう憎たらしくて憎たらしくて、
その後しばらく伊丹十三さんがこの世で一番嫌いな人でした。
つまり、かなりの名演技だったということなのです。
純真だったということでお許しください。

それはさておき、七段目。

忠臣蔵はもともと「人形浄瑠璃(文楽)」の作品でして。
文楽は「●●の段」とか「△△の段」とか
シーンごとに名前があるのですが、
最初から数えて「○段目」と数字で呼ぶこともあるのです。
で「七段目」という場面があるわけです。

京都の「一力茶屋」という廓で大星由良之助(大石内蔵助)が芸者遊びをしてまして。
(※作品が作られた当時はお上がうるさくて実名を使えなかったそうです)
その芸者衆の中に「お軽」という人がいまして。
で、お軽のお兄ちゃんである「平右衛門」という浪人が茶屋に来て・・・
という場であります。ってわかりませんよね。トホホ。

この「七段目」を、あるお店の芝居キチ若旦那が
二階にある自分の部屋で奉公人とまねっこをする
という噺があるんですよ。

やっと本題に入ったー。

若旦那は武装して「平右衛門」に、奉公人は女装して「お軽」になりきるわけでして。

そこで私らの仕事です。
京都の廓を表現する音楽は「踊り地」という曲です。

「さて、どこから始めようかな」と
まねっこを始めるあたりから演奏します。
トッテンチンチン トッチリチリチレ 。。。。 。。。。
単調な音階をゆっくり弾くので、リズムを保つのが結構難しいのです。
あと、「スカばち」といって、弾き損ねてしまうとすんごく目立つのです。
簡単に聞こえるんですけどねえ。
私はいつもかなり緊張してやってます。

ゆっくり弾いた後、奉公人に危機が迫ると早く弾きます。
バランバランとツケ(「火の~用心!カンカン」みたいな2本の木)も入ったりして
もみ合っている様を表現しているわけです。

あれえ~~~(奉公人の悲鳴)・・・・・。続きが知りたい方はぜひ寄席へお越しください。

文楽や歌舞伎では忠臣蔵は12月にかかることがほとんどですが、
寄席だと忠臣蔵を題材にした噺は季節問わず、
特に「七段目」は年中かかります。

昔作られた落語は文楽や歌舞伎を知っていると楽しい噺が多いのですが、
この噺もそのひとつです。
寄席をより楽しむために、
まずは忠臣蔵から入ってみてはいかがでしょう。
周りに合わせて笑う苦痛が減ること請け合いです。

あー。「峠の群像」観たくなってきた。
渋く「大忠臣蔵」でもいいな。ビデオ屋行って借りてこよー。
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by erioneesan | 2006-02-25 02:03 | はめもの | Trackback

マイウェイ

行ってきました!みちのくプロレスin後楽園ホール。

プロレスってキャラクターがかなりはっきりしてるんですよね。
今更なんですけど。再確認しました。
忍者とか修行僧とか男色とか。いい人とか悪い人とか。
で、それに合った曲を選ぶ。
曲が流れて、選手が勢いよく出てくると
「ほー。なるほど」と思います。
思わないときもあるけど。

寄席とは違うなあと。
しかし、聞いたことない曲は後で思い出せない。
この点は寄席囃子と同じ。
なもんで、CDほしかったんですけどね。
現在発売しておらず、予定もないとか。
また何ヶ月後かに復習しに行かねば。。。

気に入ったのは、
新崎人生の「キャ・カ・ラ・バ・ア(空・風・火・水・地)」。
昔から何度か聞いたことがあるというのもありますが、
あらためていいテーマ曲だなあと思いました。
花道からリングに上がるまでの時間、
会場全体が人生オーラで包まれる感じがするんです。
もちろん人生さんのキャリアの賜物なのでしょうが。
それがとても心地よいのです。

あと、マンゴー福田、パイナップル華井、南野たけし三者共通テーマ曲。
タイトルはわかりません。
始めにドラが入り、
次に中国料理が出てくるシーンで使われるような曲が10秒ほど。
そこからいきなりサルサになります。
変わった曲だなあと思っていたら、
2時間で3度も流れたのでなんとなく耳に残っています。

それから、佐藤秀・恵(双子ヒール)のパンク版「マイウェイ」。
セックスピストルズでしたかね。
若くて純粋で不器用で、みたいな。
本当はとてもいい人たちなんだろうな、と。
ヒールとしてはキレイすぎる選曲だと思いますが。
がんばれツインズ!ってことで一票。
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by erioneesan | 2006-02-20 23:16 | プロレス | Trackback

みちのくプロレス

今度の日曜日に観にいく予定なんです。

プロレスが好きでたまに観戦に行きます。
テレビでもたまに観ますが、ライブが楽しい。

やっぱりね、出囃子が好きなんです。
(地囃子も好きです!)
テレビだとカットされていることが多いんですよね、出の部分が。
寂しい限りです。

で、みちのくプロレスなんですけど。
何の予習もしてませんでして。
誰がどんな曲使っているか全くわからないんですよ。

だからとても楽しみなんです。うふ。
どういう選曲でお客さんにインパクトを与えるのかな、と。
会場の視線を一気に集められる瞬間ですからね。
各自かなり考えて選んでいるのではないかと。

プロレス詳しくないんですが、
一番印象にあるのは
新田一郎率いるスペクトラムの「サンライズ」。
スタン・ハンセンのテーマ曲で、
バラエティ番組の乱闘シーンにもよく使われている名曲です。
これを着メロに使っている人を街中で見かけると
無性に羨ましくなると同時に、握手を求めたくなります。
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by erioneesan | 2006-02-16 23:37 | プロレス | Trackback

梅がいっぱい その2

やはり二月は「梅に鶯」なのですね。

二日連続、紙切りのお題で「梅に鶯!」が出ました。
そこで弾いた曲が「香に迷う」という唄でございます。

♪香に迷う 梅が軒端に匂い鳥
 花に逢瀬を 待つとせの
 明けて嬉しき けそう文
 開く初音のはずかしく
 まだ解けかぬる薄氷
 雪に想いを 深草の 百夜も通う恋の闇
 君が情けを仮寝の床の 枕片敷く夜もすがら♪

またしてもなんのこっちゃの歌詞なのですが。
恋とか想いとか出てくるので、きっと恋愛の唄なのです。

明けてとか開くとか初音とかとか。
解けかぬるとか。
かなりキワドイ隠語の連発で、唄っているほうは考えると結構照れくさいのです。

邦楽が堅苦しい音楽だと思っている人は多いと思いますが、
実はとんでもないのですよ。
隠語だらけの駄洒落だらけの、な音楽ですから。
楽しいんですから。

昔、三味線のお師匠に
「邦楽はね、隠語だらけなのよ。例えば、扇を開くってなんだかわかる?
女性が股を開くってことなのよ。ほほほ」
対して何か発言しなければと思い、
「昔の人はいろいろ工夫されててすごいですね」
と言うと
「ただ暇だったんだよ」
と返されました。

とりとめのない話になってしまいましたが、今夜はこの辺で・・・
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by erioneesan | 2006-02-13 00:29 | 紙切り | Trackback

死人のかんかんのう

「らくだ」って噺があるんです。
動物じゃないんですよ。人のあだ名。しかも悪いあだ名。

ある長屋の荒くれ者で「らくだ」と呼ばれていた人が
河豚かなんかに当たって死んじゃいました。
で、長屋を訪ねた兄貴分が第一発見者。
弔ってやろうと思っているところに紙屑屋さんが通りがかる。

「お前、大家に香典もらって来い。
くれないなら゛死人のかんかんのう゛を見せてくれると脅して来い」

荒くれ者の兄貴分ですから、輪をかけて恐い。
紙屑屋さんは断るに断れず、泣く泣く大家に掛け合うと
「あんな奴に香典なんぞ出せるか!!」
と追い返されます。

兄貴分に報告すると「よし、お前こっちに背中を向けろ」
と何かを背負わされます。
ぶらり、ぶらり。ひた、ひた。
青い手、青い顔が肩にかかっている。
「こわい!こわい!」「我慢しやがれ!!」
死んだらくだを背負わされて大家の家へ乗り込みます。

「やい!大家!!死人のかんかんのうが見たいだと?!
おう!見せてやろうじゃねえか!!唄え!踊れ!!」

♪かんかんのう きゅうのれす
きゅわきゅできゅ さんしょならえ
さいほう しんかんさん
びんびんたいたい やんろ
めんこがくわくて きゅうれんそ♪

・・・・・・・・・・。続きが知りたい方は寄席へぜひお越しください。

唄え!踊れ!のきっかけで
私らが唄い出します。もちろん弾きながらです。

これまた難解というよりは、意味不明な歌詞でして。
どうやら元は中国語らしいんです。
父から借りた「日本歌謡集」という書物に依ると、
「長崎の唐人屋敷の中国人らが唄いだし、
文化から明治頃(19世紀初~後半)に江戸で流行った」とあります。

ちなみに意味ですが。

「あなたにもらった知恵の輪を
両手に抱いては来たが
解くにゃ解かれず
切ろうとしても切れず
思い悩んで困っている」

だそうで。

らくだという噺は、きっとこの頃に作られたのでしょうね。
今だったらどんな曲に値するのかな。
・・・今週末は久しぶりにカウントダウンTVでも見ようかしら。

中国の人がこれを聞いてもきっとわからないだろうなぁ。
で、なんか深い意味とかあるんだろうなあ。
知恵の輪をあげるってことは永遠の愛を意味するとかなんかかんか。
違いますかね。
中国語のわかる方、ぜひコメントください。お待ちしてます!
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by erioneesan | 2006-02-09 09:36 | はめもの | Trackback

梅がいっぱい

梅ってもう咲いてます?

二月に入ると、意識しているせいか、していなくてもか。
とにかく「梅」にちなんだ曲を弾く機会が多い気がします。

噺家さんは、噺が終わった後に
「ちょいとここで立ち上がりまして」と
踊りを披露することがあります。
そういう時も私らバックバンドのおでましなわけでして。
先日は三遊亭吉窓師匠が「梅にも春」をお願いしますと。

♪梅にも春の色添えて 若水汲みか車井戸
音もせわしき鳥追いや 
朝日にしげき人影を もしやと思う恋の欲
遠音神楽や数取りの 待つ辻占やねずみなき
逢うて嬉しき酒きげん♪

難解言葉満載の歌詞なのですが、
この曲のときは
「芸者さんの一日」をゼスチャーで見せるというものなので、
多分芸者さんの唄ではなかろうか、と。。。

「芸者さんの一日」。
目の前でやっているのですが、未だに見たことがありません。
まず寝転ぶんですよ、高座に。
どうやら芸者さんが起きるところから始めるらしいのです。
で、「じゃ、お師匠さん(=寄席囃子)お願いします」の合図で始まります。

どうして見ないかというと。
「笑って唄えなくなるから見てはいけないよ」とある噺家さんに言われたから。
笑って唄えなくなるのは大失態だし
笑らずに普通に唄い切れてしまうのも怖いので、未だに見たことがないのです。

梅にちなんだ曲は他にもたくさんあるんですよ。
「梅は咲いたか」とか「梅の栄」とか。
その辺はまた来年にでも。。。

インフルエンザ、相変わらず猛威を振るっているようで。
さすがにお題としては出てきませんが。
今週末あたりは五輪ネタがいっぱいですかね。
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by erioneesan | 2006-02-06 14:03 | 踊り | Trackback